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CASE STUDY / COMMUNITY BASE
岡山県玉野市 宇野港

うのベース: 「やりたい」が集い、 地域に愛される共創の拠点

「8割の集中」と「2割の交流」を両立させる、経営戦略としての空間設計。
代表 東本様 × 二級建築士 阿部千子 インタビュー対談。

街に定住者さえ生む、コミュニティ空間の仕掛け

岡山県玉野市、宇野港のほど近く。コワーキングスペース「うのベース」は、オープンから3年目の今も、利用者同士が仲間として繋がり、街に定住者さえ生む稀有な場所となっています。

代表の東本さんは、設計前に全国の拠点を視察し、運営のヒントを徹底的にリサーチされていました。その「こだわり」を阿部がどのように具現化したのか。ビジネスの成功を支える「空間の仕掛け」についてお話を伺いました。

PROJECT PHOTO GALLERY
うのベース 玄関エントランス
01 / ENTRANCE — 気軽に入りやすいエントランス
うのベース 内観1
02 / INTERIOR — 8割の集中と2割の交流を支えるメイン空間
うのベース 内観2
03 / LOUNGE — 会話が自然と生まれるキッチンスペース
うのベース 平面図
04 / FLOOR PLAN — アクリル透過扉&回遊動線の平面計画
SECTION 01

1. 「8割は作業、2割は交流」という本質を形にするゾーニング

阿部: 「東本さんは、最初から『作業と交流の空間を分けたい』と強く希望されていましたね。」
東本さん: 「多くのコワーキングを回って気づいたのは、利用者の8割は交流ではなく純粋に『作業』を求めて来るという現実です。だからこそ、集中ルームと交流ルームを物理的に分けることが不可欠でした。

しかし完全に分断してはコミュニティが生まれません。そこで阿部さんが提案してくれたのが『アクリルの透過扉』でした。集中は保ちつつも、扉越しに『あ、あの人が来ているな』と気配がわかる。この絶妙な距離感が作業効率と交流のきっかけを両立させています。」
SECTION 02

2. 視察で得た知見を落とし込む「会話のトリガー」

阿部: 「キッチン周りや動線にも、他拠点での学びが活かされていますね。」
東本さん: 「滋賀で見た『利用者と目が合うキッチン』の配置をぜひ取り入れたかったんです。コーヒーを淹れる瞬間などに自然と会話が始まる仕掛けです。

阿部さんは『集中ルームへ行くには必ず交流ルーム(リビング)を通らなければならない』という、住宅におけるリビング階段のような動線を計画してくれました。この仕掛けのおかげで、すれ違いざまの挨拶から仲が深まり、狙い通りの人間関係が築けています。」
SECTION 03

3. 建築士を「ビジネスの伴走者」として使い倒す

東本さん: 「何より意図を即座に形にしてくれる融通の良さですね。設計段階で採算性についても議論し、『個室が何室取れるか』という経営面でのシミュレーションに粘り強く付き合ってくれました。

また現場でのライブ感のある打ち合わせも助かりました。小上がりの高さやカウンターの寸法をミリ単位で調整したり。図面上の綺麗さではなく、運営者としての使い勝手を最優先にプロの技術で支えてくれた安心感は大きかったです。」
ARCHITECT'S VIEW

【建築士・阿部の視点】オーナーの「知見」を、機能する「間取り」へ昇華させる

東本さんとのプロジェクトは非常にロジカルで刺激的でした。全国を回って集められた『うまくいくコワーキングの条件』を、築古物件の制約の中で実現すること。

  • 動線の心理学:「話しかけやすいタイミング」を建築的にデザインすること。
  • 現場での微調整:カウンターや小上がりの高さを「体感」ベースで決定すること。
  • 経営へのコミット:採算性を考慮した個室数の確保とコストバランス提案。

弊社はただ図面を引くだけの存在ではありません。オーナー様のビジネスへの想いを理解し、それを技術で裏打ちする「最も使い勝手の良い道具」でありたいと考えています。